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二世帯住宅を建てたい!【6】玄関が別々の二世帯にする

目次

玄関が別か一緒かでタイプが変わる

二世帯を考えるときに、玄関ってどう考えていますか?

「同居なら、玄関は同じでいいんじゃないかな」
「別に玄関は、同じでもなんの問題もない」
そのように考えるでしょうか。

二世帯には、3タイプありますが、「玄関が一緒」なのは一部同居タイプや完全同居タイプに当てはまります。
「玄関が別々」となると、これは完全分離タイプとなります。玄関が別々でも、なかで行き来できるドアを作る場合もあります。

子世代と親世代の生活リズムや建てる間取りにもよりますが、おすすめは、「玄関が別々」です。

玄関を別々にするワケ

最初は、玄関は同じでもと思うかもしれませんが、いざ暮らしはじめると意外と気になることがあります。

それは、ドアの開け閉めの音。

住んでいるみんなが同じ生活リズムであれば、出入りの時間帯もだいたい同じになることでしょう。それであれば、気にならないかもしれません。

しかし、よくあるのが子世代の働いている夫婦の帰宅が夜遅くなったり、子ども(孫)が遅く帰宅したりすることで、その物音で寝ている親世代が起きてしまうということ。

2階建ての二世帯の場合、だいたい1階が親世代のスペースになります。玄関から寝室までが遠ければいいのですが、なんだかんだ玄関の物音や上の階へと昇る階段の音などは響くものです。子世代も、そーっと閉めたり、そーっと開けたりと気をつかうならば、いっそ玄関は別々の方が気兼ねしなくていいものです。

玄関別々にすると玄関スペースが狭くなる?

では、玄関を別々にしようと思ったら、どこに作るといいのでしょうか。

1階、2階とで玄関を別々にする方法があります。親世代、子世代で居住階をわけるならば、そこに合わせて玄関がある方が便利です。外に階段を設ければ、階段の物音もなかにまでは、響きません。

1階にそれぞれの玄関を作るのはどうでしょうか。

玄関を2つ作ると、どうしても狭くなるなど制限がでてしまうことが多いです。比較的大きめな間取りであっても、子世代で子どもが2人もいると、靴を家族分しまうことができないということも。

そこで玄関とは別に、シューズクロークを設けてみてはいかがでしょうか。小さな子どもの場合、バギーや外での遊び道具、子ども用の自転車なども家のなかに置きたいものです。しかも出かけるときに使うので、家の奥にしまい込むと取り出すのが、面倒になってしまいます。これらも玄関のところにシューズクロークがあれば、そこに靴とともに収納することができます。子世代の方にだけ、シューズクロークを設けてもいいでしょう。玄関がすっきりとします。

なかでつながる扉をつくる

玄関を別々にしたら、隣り合って住んでいるのにむしろ会わなくなってしまったという話もあります。近くにいるから、いつでも会えるからと思うからでしょう。

しかし、せっかく近くに住んでいるならば、気配を感じる、行き来できる扉をなかにつくるパターンもあります。別々の玄関を隣り合わせにし、その壁につながる扉をつくるのがおすすめ。違うところに、つながる扉をつくるには、お互いの間取りを合わせて調整しなければなりません。

また、なかでつながる扉をつくるとこんなメリットもあります。

① 相続税が安くなる可能性がある

親世代から相続する際に、小規模宅地等の特例で、8割減が受けられる可能性があります。

②共同住宅の規制を受けない

1つの建物に二世帯の住人が住む場合、完全独立だと共同住宅の規制を受けることになります。なかでつながる扉があることで、共同住宅の規制を受けずにすみます。扉は、鍵付きでもかまいません。

③気兼ねなく行き来ができる

いちいち、外に出て尋ねなくていいので、気兼ねなく行き来ができます。

つながる扉をつくるだけで、税金の面でメリットがあります。

なかでつながる扉にカギをつけるかどうか?

玄関を別々にし、なかでつながる扉を設置しました。

では、その扉にカギはつけますか? つけませんか?

実の親子の同居の場合は、カギはいらない、家族なんだから水臭いといいがちだそうです。しかし、義理の親子の場合はどうでしょうか。急に入ってきたり、休みの日でも朝早くてもかまわず出入りされたり、プライベートがなくなることを考えて、実はカギをつけたいと思っているものの、表立っていえないということが多いそうです。表立って伝えたことで、信用していないということかなどと離婚騒ぎになったり、親世帯との仲に溝ができたりということもあるようです。

カギをつける費用や取り付け工事もたいしたことはありません。直接、親世帯や子世帯とで話し合うとこじれる恐れがあるなら、間に建設会社、事務所などを挟んで相談してみましょう。家とは、安心してくつろげるところでありたいもの。みんながストレスなく過ごせるように、カギひとつで解決するならば、つけた方が安心です。