二世帯住宅を建てたい!【4】


狭小の二世帯を建てる


目次

都心では、狭くなってしまう
床面積が狭いほど、完全同居になる
共有して使う場所と動線が大事
サブ、ミニを作る
デッドスペースも無駄なく使う
視覚からも広さを感じさせる

 



都心では、狭くなってしまう

nisetai4_kyosho.jpg通勤の面や憧れのエリアなどで都心に住みたいと思っても、都心の土地代の高さが一番の問題になります。ましてや二世帯を建てようすると、それぞれの世帯で広さを確保したいと思うと、広い土地が必要になりますが、やはり土地代がネックに...。手に入るとしても狭い土地になってしまうことが多いものです。

このような狭い土地に建てる住宅を「狭小住宅」といいます。狭小住宅とは、一般に約10〜15坪(50㎡)以下の土地に建てる住宅のことです。

また、狭小住宅であれば、税金を安く抑えることが可能です。固定資産税と都市計画税が、200㎡以下である小規模住宅用地であれば、税額が安くなります。毎年かかる税金を安く抑えられるのは魅力的です。

そして、狭小住宅でも二世帯を建てることはできます。ただし、注意するポイントがあります。

ポイント① 防音対策をする

人気のエリアだったりすると、小さな家が密集して建っていることが多く、隣家との距離が近いので、防音対策が必要になります。

ポイント② 建築コストに気をつける

建築の際に大型車を隣接することができず、小型車で往復したり、足場をかけるスペースがちゃんと確保できず作業が長引くなどのコスト面でかかることがあります。

ポイント③ 縦に伸ばす

生活に必要な面積を確保するためには、縦に伸ばすしかありません。2階、3階建てになることが多いです。必要に応じては、地下室を作ることも。その際には生活動線や間取りに気をつけましょう。

ポイント④ 収納スペースを作る

ただでさえ狭いので、収納家具などを置くことは難しくなります。そこで、いかに収納スペースを作るかがポイントになります。また同様にデッドスペースを作らないような工夫も必要です。

ポイント⑤ 広さを視覚で感じさせる

狭いものは狭い土地。でも工夫次第では、広さを視覚的にですが出すことは可能です。吹き抜けを作ったり、窓を大きくして採光を取り入れたりしてみましょう。

これらのポイントに気をつけながら二世帯を建ててみましょう。

 



床面積が狭いほど、完全同居になる

床面積が広ければ、寝室だけでなくキッチン、お風呂、玄関などすべてを分離できる完全分離が可能になります。

しかし、狭小住宅では、住むための床面積が狭くなります。例えば15坪の土地では、およそ10坪の家を建てることができます。床面積が狭いほど、二世帯の場合は、共有する場所が多くなり、寝室だけ別々というような完全同居になります。または、玄関、キッチン、お風呂などの一部を共有する一部同居になります。狭い分、2階、3階と縦へ伸ばすという方法をとることが多く、必要であれば、地下を作ることも。1階を移動がしやすい親世代、3階を子世代でそれぞれの寝室などのプライベート空間にして、2階を水回りやリビングなどの共有部分とする間取りが人気です。このタイプにすると、たとえ完全同居の場合でもそれぞれの空間を別の階で保つことができるので、一部同居のようなスタイルになります。

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共有部分が多くなる二世帯住宅では、食事を大家族で囲んだり、子育てを手伝ってもらったり、二世帯で一緒に過ごす時間が自然と長くなります。

ただ、共有部分が多くなることで親世代、子世代で気を使う場面も多くなります。動線や生活スタイルなどで話し合い、ストレスなく過ごせる間取りにしましょう。

 



共有して使う場所と動線が大事

狭小住宅の場合、狭さを効率的に使うには共有する場所、行動の動線が大事になってきます。

先ほどもお伝えしましたが、狭い土地では縦に伸ばすしかありません。1階に親世代、3階に子世代のそれぞれ寝室などのプライベート空間にし、2階に共有する水回りやリビングにするという分け方です。設備をすべて共有タイプだとしても、階が違っていれば各世代のプライベートは確保できます。

間取りを考えるときに、親世帯で使う場所、子世帯で使う場所、共有で使う場所を考え、そこに就寝、食事、外出、洗面、入浴などの生活動線を考えてみましょう。

例えば、親世代に便利だからと共有のトイレやお風呂を親世代のところに作ると、子世代が使うときには親世代の場所を必ず通過しないといけなくなります。これではプライベート空間を分けたとしても1日に何度も顔を合わせないといけなくなってしまいます。そこで、水回りは、共有で使う場所である2階に配置することがおすすめです。

また、早寝の親世帯と比較的遅くなりがちな子世帯とでは、玄関を別々にしたいところですが、狭小住宅では難しいものです。玄関は共有にしても、子世帯で使う場所に直接いける外階段を作るということもおすすめです。

このように二世帯でお互いにストレスなく快適に住むためには、相手世帯を通ることなく共有で使う場所へ行き来できることがポイントです。

 



サブ、ミニを作る

各世帯にほしいと思うキッチン、お風呂、玄関。これらは、共有でもいいのですが、各世帯にあるとやはり便利なものです。ただ、狭いスペースに2つを作るのが難しいのが現状。そこでサブ、ミニのサイズで作るのをおすすめします。

例えばミニキッチン。キッチンを共有にすると、「食の好みが違う」、「自分の好きなように作りたい」、「自分たち専用の冷蔵庫がほしい」「使う時間が深夜のときがある」などあとから気になる箇所でもあります。

そこで、単身者向けの集合住宅にある1~2口コンロのミニサイズのキッチンをどちらかの世帯に設置してはいかがでしょうか。小さなサイズの冷蔵庫も一緒に設置することも可能です。ただ、コスト面では実はフルキッチンとあまり大差がないということも...。最近は手ごろな価格のフルキッチンも増えてきているからです。

フルキッチンを親世代のところに設置し、平日は時間のない子世代に代わりそこで親世帯が食事を作り、週末にそれぞれのキッチンで食事を作るという使い方をすることがあるようです。平日に遅くなったとしても、ミニキッチンがあれば、時間帯や音に気兼ねせずに食事を作ることができます。

また、お風呂場。夜遅くに共有のお風呂を使うと音などに気を使いがちです。そんなときに、子世代で使う場所にシャワー室を設置してみてはいかがでしょうか。湯船を2つ設置すると、水道代、ガス代なども倍になってしまうので、シャワー室だと抑えることができます。遅く帰ったときなどには、シャワーが便利です。同じ水回りとしては、洗面所も各世帯にあると便利です。朝の支度のときに2世帯で使うと混雑しがち。ミニサイズの洗面所があると、その混雑も解消されます。

狭いスペースだから玄関を2つ設置は厳しいかもしれません。しかし、深夜に帰宅などで親世帯の使う場所を通らずに直接帰りたいもの。子世代で使う場所に直接出入りできるサブとしての外階段を設けてみてはいかがでしょうか。

このように、2つ設置が難しいものについては、ミニやサブなどの小さなサイズにして設置し、少しでも快適に過ごしましょう。

 



デッドスペースも無駄なく使う

狭小住宅では、その狭い空間をいかに効率よく使うかがポイントとなります。

例えば、階段の下にトイレや洗濯機を配置すると、階段下のデッドスペースを使うことができます。

また、壁の厚みの部分に棚(奥行10~15cm程度)を埋め込むことで、出っ張ることなく収納スペースを作ることができます。さらに階段の段差、ちょっとした段差も引き出しにすれば、立派な収納スペースになります。

一番、収納スペースを要するのは実はキッチン。食材に食器類、調理器具なども収納しなければなりません。そこでキッチンの上下には収納スペースを設け、さらに床下収納も設けてみましょう。もしくは、階段横にキッチンを配置し、階段下をキッチンの作業スペースにしてもいいでしょう。

屋根裏も物を入れるスペースとしては大切です。天井付近の場所は、ロフトとして使ったり、普段使わない大きなものを収納する場所としましょう。ロフトは、天井の高さが低いので、秘密基地的に子供の遊び場としても使えます。

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施工例はこちら

また廊下をなくすという方法もあります。階段からあがった踊り場からすぐに部屋になっているように配置もできます。廊下をなくした分、収納スペースにあてたり、部屋の広さを増やしたりとできます。

意外なのが、玄関を引き戸にするということ。引き戸にすることで空間を有効活用することができます。

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施工例はこちら

このように狭い土地だからこそ無駄なくスペースを使うような工夫が必要です。

 



視覚からも広さを感じさせる

狭小住宅では、広さや明るさを感じさせる工夫が大事です。広さを感じさせるには、採光が必要。壁で区切り、天井が低いと人は狭く感じるもの。吹き抜けを作ることで、視覚的に広く感じるようになります。

また、窓を大きくしたり、窓の高さを考えたり、天窓を作ったりして採光をより多く取り込めるように工夫してみましょう。透明感のある素材を使うという方法もあります。

さらに階段を踏板と骨組みだけのスケルトン階段にするとより広さと明るさを確保することができます。吹き抜けとスケルトン階段で、日差しを多く取り入れることができます。また、風通しもよくなり開放感を得ることができます。

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施工例はこちら(左の写真) 施工例はこちら(右の写真)

狭小住宅でもポイントや工夫をすることで、二世帯は建てられるものです。狭い土地しかないとあきらめず、相談してみましょう。


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二世帯住宅を建てたい!【3】


二世帯を新築で建てる


目次

二世帯のすすめ
建て替えるタイミングは?
新築で費用を抑えるには
いくらで建てられる?
二世帯だと相続税が安くなる?
新築で建てることのメリットは?
意外と忘れがちな光熱費
新築で建てるために、業者を選ぶときのポイントは?



二世帯のすすめ

「親も高齢だし、近くに住んだほうがいいのかな」
「近くに住むくらいなら、一緒に住もうか」
「いざというときに、近くにいないと不安だし...」

そんな会話をされたりしてないでしょうか。
高齢の親、病気や介護などで同居を考える方は多いです。 また、共働きなので子育ての手伝いをお願いしたい。子育ての悩みなどを気軽に相談して、一緒に育てたいなど子育てをきっかけに二世帯を考えることもあるとのこと。

二世帯を考えてみませんか。



建て替えるタイミングは?

老朽化した実家や高齢な親世代のために大幅なリフォームを考えているなら、二世帯への建て替えを検討するタイミング。
家のなかの段差を減らし、手すりをつけたり、介護のために間取りを変更したりという大幅なリフォームになるならば、いっそ新築に建て替えてしまうのがおすすめです。
また、地震、台風、猛暑などの近年の自然災害などに強い家にしたいというときにも新しく建て替えると安心です。
建て替えるときには、土地が必要です。土地持ちの実家であれば、問題ありません。土地がなければ購入から検討します。

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新築で費用を抑えるには

建て替えるということは、間取りを変更したり、設備を増やしたりするので、新築を建てることと同じです。すでに建っている家があれば、壊すところからはじまるなど工事期間も費用も同じくらいかかります。 こだわった家にしたいものの、できれば費用は抑えたいものですよね。
まずどのタイプの同居にするかで、費用を抑えられるかが変わります。
タイプは3つ。完全同居、一部同居、完全分離です。このなかで押さえられるのは、完全同居タイプ。玄関、キッチン、お風呂などの設備を共有するので、新しく増設するものが少ないために抑えることが可能です。
逆に費用がかかってしまうのは、完全分離タイプです。玄関から別々でそれぞれの世帯にリビング、キッチン、お風呂などの設備も増えるため、新築を2棟建てることと同じになるからです。
要は、どこまで新しく設備を作るかによります。ただ、費用を抑えるためにと共有設備を増やしたところで、使い出してから「やっぱり別々にしておけばよかった」と思うことのないように、事前によく相談してからがいいでしょう。


いくらで建てられる?

新築で建てるとなると、金額はいくらくらいの目安になるのでしょうか。

やはり、新しく土地を購入し、建てるとなると高額になります。
同居のタイプ別にみると金額の順としては、
完全分離 → 一部同居 → 完全同居の順。

なかでも一番金額のかかる完全分離は、一般的な一軒家の金額の1.5~1.8倍が目安です。
例としては、一般的な一軒家(4~5人で住む設定)は、30坪で1500万円、40坪で2000万円。完全分離の場合は、2250~3600万円。一部同居の場合は、設備を共有設備はどのくらいで、どの程度新しく増やすかによって金額は増えていきます。
完全同居は、共有設備が多いので一般的な一軒家と同様の金額が目安です。ただし、共有設備を減らして、それぞれの設備が増えると金額はあがります。

ちなみにリフォームの場合は、新築よりも金額は抑えることができます。

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二世帯だと相続税が安くなる?

二世帯住宅で家族と同居している場合、相続税対策に大きなメリットがあります。
通常、土地の評価額が高いと納めなければならない相続税も高額に...。しかし、二世帯で暮らしている場合は、条件次第で土地の評価額を8割も減額してもらえる「小規模宅地等の特例」という制度が利用できます。
特に、土地の評価額が高い地域にお住まいの方にとっては、二世帯住宅にすることでかなりの節税が期待できるのです。お住まいの地域によって変わってくるので、ご確認ください。


新築で建てることのメリットは?

リフォームと違い、新築で建てることのメリットはなによりも「間取りを考えることができる」ことでしょうか。

親世代と子世代の双方で相談して間取りを決めることが大切です。生活時間や生活スタイルなどを考慮して決めないとあとでもめる原因になることも...。
夜は夕食のあと寝るまで静かに過ごしたい親と遊び盛りの子供がいる生活とでよくあるのが、生活音が思っていたよりも気になったというところです。小さな子供が走り回る音やドタドタと歩く音、深夜遅くのお風呂やキッチンの水音、静かにしたい、寝ようとしていた側からすると気になるものです。水回りの配管などは気軽に変えることができないので、間取りを考えるときにそのあたりも気にして、部屋の配置を考えるようにしましょう。親の寝室の近くや寝室の上に子世代のリビングやお風呂を間取りで配置しないようにするのもいいですね。

また新築で建てるとその後、長く住むことができます。子供が独り立ちしたり、親世代がいずれいなくなったときに部屋をどうするかというのも将来的なこととして考えておきましょう。完全同居、一部同居タイプは、そのことを考えて、空き部屋になったときに、違う部屋として使えるようにシンプルな間取りにしておくのもおすすめ。完全同居タイプならば、玄関から別々なのでプライバシーも守られているので他人に貸し出すということも可能です。

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意外と忘れがちな光熱費

間取りによりますが、光熱費の削減は可能です。共有設備をどこまでにするかで、かかる光熱費が変わります。使う分は二世帯分になりますが、払いも二世帯で払うので、かかるのが減るのです。少しやっかいなのが、光熱費をどちらが負担するかということです。
完全分離タイプにすると、それぞれに基本料金がかかるので、支払いについては各家庭ごとになりますが、光熱費がよりあがってしまうこともあります。また、請求が一緒で親が支払いをしているとなると、気を使ってしまうことも。
意外と忘れてしまいがちなので、同居のときに光熱費はどちらが払うか、一緒に払うのかなど決めておくといいでしょう。


新築で建てるために、業者を選ぶときのポイントは?

新築で家を建てるとなると、サイトを検索したり、専門誌や本を読んだりして家を建てるということに向けて情報収集をしましょう。情報量が増えることで、良い情報、悪い情報も入ってくるので選択肢が増えていきます。

情報収集をして、次に大事なのは、業者選びです。 良い業者も多いのですが、残念ながらあまり良くない業者もいるのが現状です。そこでいくつか業者選びのためになるポイントをご紹介します。どんな家を建てたいかを考えつつ、それに合った業者を選びましょう。

まず業者には、どんなタイプがあるのでしょうか。代表的なものは、工務店、設計事務所、ハウスメーカーです。
工務店:設計と施工を一括管理している。比較的コストが安い。地域に密着している。
設計事務所:間取りなどの設計を担う。施工会社とは別のケースが多い。比較的コストが高い。
ハウスメーカー:知名度、ブランド力が高い。全国的に展開している大規模が多い。割高感がある。

良い業者選びのためのポイントです。
ポイント①「建てたあとのお客さんとの接し方はどうか?」
家が建つまでは、どの業者もお客さんへは丁寧な接客をするでしょう。重要なのは、建てたあとのお客さんとの接し方です。業者のサイトに建てたあとのお客さんとのつながりを紹介しているものがあったら、建ててからも末永いお付き合いを大切にしていると評価できます。

ポイント②「自社のポリシーを出しているサイトか?」
どういった家を建てているか、イメージ写真などももちろん大切ですが、自社のポリシーをちゃんと主張しているかが重要です。家作りに対する想いが大きく掲載されているサイトはおすすめです。

ポイント③「マナーが良いか悪いか?」
業者の方に合ったときに印象やマナーがなっているかを気にしてみましょう。どのような心構えでお客さんに対応しているかが見えてきます。良い業者さんの場合は、現場の職人さんたちにもマナーを徹底しているところが多いです。また施工中に近隣住民に配慮をするマナーも大切です。

ポイント④「お客さん視点での予算、価格を考えているか?」
理想の間取り、設備などを考えていくと予算を超えてしまうことも多々あります。そんなときに売れたらいいという思いの業者だと予算を度外視して進めたりしてくることも。良い業者でしたらお客さんの心配を考え、低コストを提案したり、超える予算の額を教えてくれたりしてくれるでしょう。常にお客さん視点で考えてくれる業者がおすすめです。

ポイント⑤「アフターサービスはできているか?」
家が完成してから、定期的にお宅訪問をして不具合がないかを確認するのはどこの業者も行うサービスです。アフターサービスとして、不具合があったときにどう対応しているかが見極めポイント。即日対応が理想ですが、このような対応をしますと具体的なものを伝えてくれるだけでもお客さんの不安はやわらぐものです。このようにお客さんの不安に寄り添いアフターサービスを心がけているところがいいでしょう。

お客さんのことを考え、お客さんの立場にたって物事を考えてくれる業者がおすすめです。新築を建てるというのは、大きな買い物。失敗したり、後悔しないためにもこれらのポイントを参考にしつつ、業者を選びいい家作りをスタートできればと思います。




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二世帯住宅を建てたい!【2】


  失敗しない間取りと税金の話



二世帯を考えたときに気になるのは間取り

二世帯で暮らすときに気になるのは、間取り。今後、長く住むのだから失敗はしたくないものです。
新築や建て替えの場合は、間取りはゼロから考えることが可能ですが、リフォームの場合は、配管や柱の都合などにより、大幅に間取りを変更することが難しいことがあります。 親・子世代が一緒に住むので、お互いに気持ちよく過ごせる間取りにしたいもの。代表的な3タイプの同居スタイルと、間取りをご紹介します。



代表的な3タイプの同居スタイル

同居スタイルには、代表的な3タイプがあります

〈完全同居タイプ〉

寝室や個室などのプライベートな空間以外を共有するスタイル。玄関、キッチン、リビング、お風呂、トイレなどを共有します。二世帯で使うので、広めに設計してゆとりがあるようにします。


〈一部同居タイプ〉

玄関、リビング、お風呂などは共有にして、それ以外を別々にするスタイル。ある程度のプライベートは保ちつつ、くつろぐリビングを共有にすることで、二世帯のコミュニケーションをとることができます。


〈完全分離タイプ〉

同じ建物内でありながら、玄関からすべて別々のスタイル。それぞれのプライベートを完全に保つことができます。気兼ねすることなく過ごすことができ、何かあったときにはすぐにかけつけることができる距離です。また同じ敷地内に2棟建てるパターンもあります。


この3タイプの他に近居タイプあります。こちらも二世帯の形ともいえます。

〈近くに住む〉

何かあったときにすぐにかけつけられる、片道30分以内の距離に住むのも二世帯に近いものといえます。誕生日などのイベントのときには集まり大家族を味わい、普段は別々に過ごせます。



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家族の将来ビジョンを考えよう

意外に見落としがちなのが家族の将来ビジョンです。現在の状況で間取りを考えて、数年後に状況が変わり、間取りをこうしてればよかったということも......。
よくあるのが、同居を開始してから数年後、親に介護が必要になり、車いすが廊下や扉を入るのに苦労したり、リクライニングつきの大きなベッドが入らなかったり、バリアフリーが行き届いていなくて手すりが不足したり、意外なところに段差があって不便だったりというものです。場合によっては、リフォームが必要になることも......。介護はいずれくるものです。最初の時点で考えておくことをおすすめします。階段の昇り降りができなくなったときのためにエレベーターを設置することも。
また子供部屋は、いずれ子供が独立したあとは空き部屋となります。そのあとに別の部屋として使えるようにシンプルな間取りにしておくのもいいでしょう。同様に親世代の部屋もいずれは空き部屋になることも考えておきましょう。完全分離タイプであれば、空いてしまった方を賃貸として貸し出すことも可能です。
近年多い、大地震や豪雨災害、酷暑についても考えてみましょう。災害については、いつくるかわからないものですので、十分な対策をとっておきたいところです。



完全同居のメリットとデメリット

完全同居は、寝室以外はすべて共有タイプ。玄関、リビング、お風呂、キッチンなどは2世帯で使う形です。

メリットは、
「ゆったりとした間取り」
「光熱費などを抑えられる」
「サポートをうけやすい」

二世帯で使うため、基本的に広くゆったりとした間取りとなります。広いリビングやキッチンは、二世帯でもゆったりと過ごすことができます。いずれ一世帯になったときには、完全同居だと間取りが使いやすいです。
共有設備が多いので、光熱費を抑えることも。基本料金をそれぞれの世帯で支払うよりも、まとめて支払う方がお得になります。 親世代と子世代との交流が密になり、子育てや家事、介護のサポートがしやすくなります。


デメリットは、
「生活習慣の違いからの生活音が気になる」
「くつろぎにくい」
「プライベートがない」

世代が異なるため、生活時間や生活習慣が合わず、生活音が気になってしまうことも。子供が走り回る音が気になる、深夜に帰宅する音で目が覚めてしまう、昼間の親のテレビの音が大きくて赤ちゃんが昼寝をしないなど。これらは、間取りを決めるときに、生活習慣や時間をお互いに話し合うことで改善できます。例えば、防音措置をしたり、親の寝室の上が子のリビングという間取りにしないという方法があります。
ひとりでくつろぐ場所がなかったり、来客を呼びにくかったりとプライベートの確保がしにくい場合は、セカンドリビングを各世帯に設けることで解決できます。


一部同居のメリットとデメリット

メリットは、
「適度なプライベートの確保」
「完全分離より建築費を抑えられる」

玄関のみ共有にし、キッチンやリビングなどは別々にすると世帯ごとのプライベートが確保できます。行き来はできるので、距離が近い同居のスタイルになります。
共有設備を玄関だけなのか、リビングやキッチン、お風呂も共有にするのかで建築費を抑えることができます。共有設備が少なくなると、その分、建築費は増えていきます。 共有リビングにすると広さを確保でき、二世帯でもゆったりと過ごせます。逆にリビングをそれぞれに作ることで、プライベートを保つことも。共有設備をどこまでにするかで、いろいろなパターンの生活を楽しむことができます。

デメリットは、
「共有設備が使う世代で異なる」
「共有の玄関の物音が気になる」

例えば、洗面台やキッチンの高さが、親世代と子世代で合わないと使い勝手が悪くなってしまいます。高さを調整できる仕組みにしたり、共有にせずそれぞれに設置するといいでしょう。
生活時間のズレが大きいと、深夜に帰宅した物音やキッチンの音などが気になってしまうことも。間取りを考えるときに、玄関や階段の位置、上下階の寝室の位置、水まわりの位置などを工夫するのがおすすめ。親世代の寝室の上階に子世代のお風呂やリビングを配置しないようにすると、生活音で睡眠を妨げないようにできます。


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同居でもプライバシーを保ちたい...そんなときは?

同居のときに気になるのが、いつでもどこでも顔を合わせることにより、ひとりの時間や各世帯での時間を過ごせるものなのかが心配という声もよく聞きます。
そんなときには、自由に使えるシェア部屋を作るといいでしょう。誰の部屋でもなく、使いたい人が使えるようにしておきます。ひとりで趣味をして過ごしたり、静かに勉強したいときに、友達を呼んだとき、同居していない方の親を呼んだときなどリビングとして使うのも◎。間取りとしては、相手の空間を通ることなく行けるとより気兼ねなくていいです。



完全分離のメリットとデメリット

完全分離は、玄関からすべて別々のタイプ。1階と2階でわけたり、同じ敷地内に建てる形です

メリットは、
「すぐそばにいるのに、干渉しあわない」
「生活が完全に別々」

玄関から別々なので干渉しあうことなく生活をすることができ、何かあればすぐに駆け付けることができます。お隣さんのような感覚です。プライベートを保つことができるので、最近多いタイプです。1階と2階でわけたり、同じ敷地内に隣接して建てることができます。

デメリットは、
「コストがかかる」
「完全に別々すぎて、コミュニケーションがとれない」
「生活音が気になる」

家を2棟建てるような形なので、建築費があがります。さらに共有設備もないので、それぞれの光熱費がかかります。しかしキッチンについては、別々にあると気兼ねなく料理ができるという場合もあります。光熱費を気にして共有にしたところ、狭くなって2人では動きにくい、作る料理ジャンルがまったく違うので一緒に作ることができないなどで、共有でいいと思っていたのに......ということがあるようです。料理は毎日のことなので、これがストレスになるのであれば、それぞれにキッチンがある方がいいでしょう。
完全に別々すぎるため、会ったり話したりを意識しないとその機会が少ないということも。その場合は、内側にも階段を設けて、中から行き来できるようにするのもおすすめです。お互いに干渉しあうというよりは、寄り添うような間取りにするといいでしょう。
どの同居のタイプにもいえますが、生活音も気になります。完全に別々であっても、1階と2階となると間取りによっては、音が響きます。



間取りで失敗しないために必要なこと

間取りで失敗しないためには、相談が大切。親と子世帯で生活スタイル、間取りについてよく話し合うことが失敗しないための方法です。 少々これは細かすぎるかなと思うことも伝えるようにします。建ててから不自由や不便を感じてしまはないように相談ができるといいですね。

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二世帯を建てるときに、補助金がでるって本当?

親世代、子世代で話し合い、理想の間取りを考えることができたら、次は資金について考えましょう。二世帯を建てるときに、補助金が出ることがあります。うまく活用してみてください。


〈地域型住宅グリーン化計画〉

環境破壊を低減するためには、木造の住宅は有効です。そこで地域の工務店などで木造住宅を建てる際に利用できる補助金が「地域型住宅グリーン事業」です。『子育てを家族で支え合える三世代同居など複数世帯の同居しやすい環境づくり』が条件のひとつとなっています。これが二世帯住宅に当てはまります。ただ、こちらについては、それぞれ独立した完全分離型は対象外となるので注意が必要です。他にも条件があるので、当てはまるのかこの事業に参加し登録している工務店などに相談してみましょう。


〈相続税〉

住宅を相続したときには相続税がかかります。家を相続した人が、被相続人(財産を残して死亡した人)と同居していた親族の場合、住居や土地の所有を続けていることを条件に8割減額という制度です。


〈贈与税〉

親から金品の贈与をされた場合、贈与税がかかります。二世帯を作るときに親から資金をだしてもらったときはこの対象となります。合計所得金額が2000万円以下である場合は、非課税の特例となります。


これら税金については、お住まいの地域によって異なることがあるので、税金についても工務店やハウスメーカーでたずねてみましょう。税金関係は、もめごとになることも多いのも事実ですので、事前に対策ができるとよいですね。



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