あとで後悔しない「いい家」の建て方 BESTHOUSE

第四章 ~顧客満足ストーリー③~ ねばリ強い努力の結果、「何度もあきらめかけた」4世代同居の家が完成


 家づくりは決して平坦な道のりばかりではありません。最後のストーリーは、何度も計画のストップを余儀なくされながら、3年越しで家づくりを成し遂げた人のお話です。お客様と住宅会社が、寄り添って永いお付き合いをすることの大切さを感じ取っていただければと思います。
 そのお客様が、私だちと最初に会ったのは、住宅見学会のときでした。小さな可愛いお子様と一緒でした。見学会の会場では時間的な制約もあることから、日を改めていろいろなお話をおうかがいすることになりました。
 そのお客様は、建て替えを検討されていました。その当時の家は平屋で、かなり老朽化しており、お歳を召されたお母様がお一人で暮らしていらっしゃいました。耐震的にも問題がある建物で、手を加えないと危険な状態でもありました。
 住宅見学会でご相談いただいたのは、娘さんに当たる方です。小さな可愛いお子様は、さらにその娘さんのお子様ということで、4世代が同居するという計画でした。ご相談いただいた女性のお客様が、お母様と娘さんご家族と共に暮らすことを考えていらっしゃったのです。
 最初にご相談をいただいたときに、近くの大工さんが描いてくれた図面をお持ちでした。しかし、その図面ではお客様のご要望は満たされていませんでした。女性一人で家づくりの大事業に取りかかるという状態であり、私共は、しっかりした提案をしなければ大変なことになると思い、無理になりすぎない資金計画と併せて図面をつくっていきました。
 建物は老朽化しているので、安全面からも建て替えの必要があります。お客様の年齢とローンの問題を考えると、それほど先延ばしはできません。しかし、お客様のこれからの返済計画とライフプランをしっかり押さえて提案しないと、将来的な危険が伴うのは目に見えています。必要以上の負担をかけないように細心の注意を払いました。

思わぬ事態に計画はストップ

 その後、娘さんのご主人様と共有のローンを組み計画を進めようとしました。夢のマイホームに、4世代の家族が仲良く暮らす家への想いは膨らみました。しかし、具体的に話を進めると、お勤めの会社の条件でローンを組むのが難しい状態ということがわかりました。
 家づくリ計画は、ストップせざる得ない状況になってしまいました。私たちも、そのご家族のためにどうにかしなければならない、という想いが強く残りました。老朽化する家に一人住まわれているお母様を想うお客様の気持ちが伝わっていたからです。借入金額に無理はできなくても、建て替える必要性のある、建て替えなければならない家でした。
 その後、そのお客様のお勤めの会社も、不景気のあおりを受けて廃業してしまいました。本人の意志とは裏腹に事態が展開していき、家づくリ計画が思うように前に進まない状態になってしまいました。私たちも、金融機関にいろいろ話して打開策を探りましたが、なかなか、こちら側か思うような回答はいただけませんでした。
 そして、しばらくの月日が経過していきました。お客様は、私たちが開催する住宅イベントにはよく顔を出されていて、家族みんなが元気であることのご報告はいただいておりました。私も、少しでもよい情報があると常にコンタクトを取り、話は決して止めず継続していました。金額的な負荷を少なくするために、ご予算のバランスを考えてプランを修正し、金額も訂正しました。

出会いから3年後に4世代の家が完成

 そして、ある日のこと。そのお客様から1本の電話が入りました。その電話の内容は、「ローンが通りました」という喜びのご連絡でした。それは、以前、私たちがご紹介していた金融機関でした。さらに、お母様も費用の一部をご負担していただける環境を整えたとのことでした。そして、ついに50年以上も住み続けた家を解体することになったのです。
 その家は、近隣と密集していたこともあり、大型車両が入ることができない環境でした。近隣にお住まいの方にも細心の注意を払い、ご協力いただきました。
 3階建てでしたが、すべてが手作業です。狭小エリアの工事は得意としていましたが、より注意を払って作業をしました。現場からの連絡が終盤を迎え、いよいよ完成です。家族4世代が仲良く暮らす家、女性の親子でっくり上げた家です。
 振り返ると、なんと、最初の出会いから3年も経っていました。
 その家は、決して豪華なつくりではありません。しかし、とてもいい家です。家族が仲良く暮らすことができる家、お母様を想うやさしい家族の家です。その後、お客様からお手紙をいただきました。嬉しいお言葉と併せた近況の報告でした。
 また、街のレストランに食事で訪れた際、そこで働く娘さんとバッタリー!とても元気よく慟かれておりました。お客様感謝祭やOB会にもご家族皆さんでお越しいただき、とても仲良くしあわせそうです。
 とても長い時間がかかりましたが、本当にご家族の幸せづくりのお手伝いをさせていただいたことに嬉しく思い、こうしたご家族とお知り合いになれたこと、永くお付き合いさせていただくご縁をいただいたこと、それが私たちにとって一番の財産であることを深く実感させられました。