あとで後悔しない「いい家」の建て方 BESTHOUSE

第四章 ~顧客満足ストーリー②~ 父の闘病を乗り越えて 「介護できる家」を建てた仲良し家族


 次にご紹介するのは、仲良しのご家族がお互いの幸せを考えて「介護できる家」を建てたストーリーです。一つの家が、家族のやさしさを象徴しています。そんな家づくりに関わったことに、私自身も大きな喜びを感じた経験でした。
 そのお客様は、会社で開催した構造見学会に来られたのが最初です。やさしそうな雰囲気の女性であったことを今でも覚えています。そして、しっかりと話をさせていただいた、そんな感じの出会いでした。
 その後、ご自宅におうかがいする約束をさせていただいたのですが、おうかがいした家は、かなり築年数が経っていて、建て替えが必要でした。その家には、介護が必要なお母様とやさしいお父様が同居されていました。そして、これから共に新居で暮らす予定のやさしいご主人様もおられました。家族全員がお母様の心配をされる、そんな本当にやさしいご家族であるのが伝わってきました。新しい家で家族仲良く暮らしたいという家族の想いは一緒でした。
 お嬢様は、ご両親に迷惑をかけないように、予算も控えめでした。そして、2階建てにするか3階建てにするかで悩んでいました。ご主人様は、将来的に独立してパン屋さんを開業するという夢を持ち、日々大変な努力をされていました。体が一番大切なので十分注意されてください、と、お会いするたびに話していた記憶があります。
 何度かお打ち合せで訪問したときのことです。お父様の体調がすぐれない、というお話を耳にしました。そこで「今は家の話をしている場合ではないので、しっかりと回復に専念されてください」とお話をして、家づくリ計画をストップすることにしました。その後、私たちもお父様の体調が気になり、何度か役立つ情報をお伝えしたり、薬などのお話もさせていただきました。

やさしい家族の想いが一軒の家に

 そして、月日が経過したある日、そのお客様から「また、家づくり計画を再開したい」という本当に嬉しいお話をいただきました。何より嬉しかっだのは、家の計画が再開することではなく、素晴らしい人格者であるお父様の体調がよくなったことでした。
 私たちは、将来的に起業されるご主人様のスペースを1階に配置し、実際の開業までは賃貸として貸し出し、2階と3階を住居スペースとする2世帯住宅を計画しました。当然のことですが、将来的な資金計画と賃貸情報をもとに、銀行による話も併せて、不安要素をすべて解消し、家族が仲良く暮らすための「介護できる家」を提案しました。
 徹底したヒアリングをもとに、そのご家族の夢のマイホームができ上がりました。
 職人も含めた全員が、その家に住まわれるお客様のことを想い、ついに完成した家です。その家のトイレは、居室側と廊下側からも入ることができます。介護を必要とされるお母様のために設計したものです。
 先日、OB様の集まりの会にご出席されたお父様はとても元気で、皆さんが仲良く暮らされているという嬉しいご報告をいただきました。また、その家は、浴室にミストサウナを設置しています。介護が必要なお母様がお風呂につからなくても寒くなく、発汗することで体も綺麗になる、という理由からでした。本当にやさしいご家族です。
 そんなやさしいご家族が新たな家に引っ越され、そのとき見せていただいたお母様の最高の笑顔は、私たちの眼に焼きつき、決して忘れることはありません。