ポイント③ 工法の違いを知っておく

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「在来工法」は、柱や梁などを用いて組み立てられる、木造の建築工法です。
この工法のメリットは、第一にコストが安いことが挙げられます。
また、柱で支える構造のため、将来的に間取りの変更などもある程度の範囲で対応できます。

木造住宅は20~30年で建て替えなければならないと考えている人もいるようですが、建築基準法のレベルの大幅な引き 上げにより、格段に進歩し、地震に対しても強くなっています。
しっかりとメンテナンスをしていくことで、新築であれば100年は安全に暮らせる水準にあると言ってよいでしょう。

ただ、木造住宅には、地震のたびに釘などの結合金物が緩むという性質があります。
日常的な揺れもそうですが、大地震や度重なる余震の影響で、接合金物の緩みが拡大し、耐震性が弱まったり、場合によっては築年数を経過している建物は倒壊に至る危険性があることもあります。
そのため、十分な対策を講じておく必要があるでしょう。
デメリットとしては、木造であるが故に、火災に弱いこともあります。
主に商業地域などに指定される防火地域に建てる場合は、壁前面に防火ボードを貼らなけ ればならないのですが、少しコストが上がってしまうことがあります。

きちんとした施工をすれば、現在の木造住宅は、地域によって一定の耐火基準に基づい て建てられるので、火災に対しては過度に不安視する必要はないでしょう。
ところで、在来方法は日本の伝統的な住宅の工法であるため、職人の経験や腕に頼る部分が大きく、職人の質に左右されやすいのが特徴でもあります。

熟練した腕のよい職人さんが手がければ、必然的にいい家ができることが保証されます。
一方で、職人さんが未熟な場合、その未熟さが家にも明確に現れてしまいます。

これは、在来工法のメリットでもあり、デメリットでもあると言えそうです。
「2×4」(ツー・バイ・フォー)も、木造による建築の工法のひとつです。

もともと19世紀の初めに北米で生まれたものであり、製材で組まれた枠組みに パネル合板で壁を組み上げていく「壁式工法」です。

「2×4」というのは、2インチ×4インチの断面の構造材が用いられることに由来しています。
2×4のメリットは、建物全体が箱型に組まれているために、地震に強いことが挙げられます。
阪神・淡路大震災でも、2×4住宅の倒壊比率は低かったという記録が残っています。
そのため現在では木造在来工法も、パネル組み合わせ工法を一部で取り入れる傾向があります。

2×4は工場で作った材料を、いかに現場で簡単に組み立てられるかを追求した工法であり、家を工業製品化しているというイメージが近いのではないでしょうか。
つまり、コストは比較的安くて、職人の技量の差も生まれにくいという特徴があります。
デメリットとしては、雨対策の問題があります。
2×4では、壁を組み上げていって、屋根を後から取りつけることになります。
つまり、屋根がつくまでは、合板が雨に濡れてします可能性があります。
雨に濡れた合板は、膨れあがって品質が低下することがあります。
腐ったりカビが生えたりする心配も拭いきれません。

また、壁を組み上げている工法であるため、将来的な間取りの変更に対応できないことも知っておきましょう。
鉄骨工法は軸組を鉄骨にしたものです。
柱や杭などで作っていくものと、壁式で作るものがあります。
コストは木造に比べて高くなります。
柱や梁で作った場合は、大空間が確保できるというメリットが生まれます。
このため、店舗用などに広いスペースを作りたいときには、適した工法と言えます。
デメリットとしては、熱に弱いことが指摘できます。
高温になると鉄骨が曲がってしまうためです。
また、錆びに弱いという側面も持っています。
鉄骨が錆びてしまうと、修復が不可能となるだけでなく、耐久性にも問題が生じます。

しかし、そうした火や水の被害を受けなければ、とても耐久性の高い工法となります。
鉄筋コンクリート工法は、コンクリートに鉄筋を埋め込む工法です。
耐久性や耐震性が高く、防音性にも優れているというメリットがあります。
東日本大震災時にも、木造住宅に比べて津波による被害が少なかったという結果が出ています。
その特性から、集合住宅や規模の大きな建物に採用されることの多い工法です。
デメリットとしては、他の工法と比較してコストが高いということがあります。
都内の木造住宅でおおまかな予算を考えると、坪単価が50万~70万円くらいと仮定して、鉄骨工法の単価が60万~80万円くらい。
鉄筋コンクリートで建てた場合は、鉄骨と同等か、やや高いくらいというのが目安となるでしょう。
以上のことから、安全を求めるのであれば、単純に木造よりも鉄筋コンクリートの住宅に住んだ方が良いと思われるかもしれません。 しかし、まず重視していただきたいのは、「バランス設計と、しっかりとした施工」です。

阪神l・淡路大震災でも、古い建物や、構造的に無理のあるバランスの悪い建物は、鉄筋コンクリート工法であっても、倒壊しているという事実があります。

また、鉄骨や鉄筋コンクリートの高層建築物などでは、制震や免震の設備を導入するに当って、国土交通大臣が定める機関で審査して、個別に認定番号を取得する必要が生じます。
これに膨大なコストがかかるため、大きな商業ビルやマンションでない限り、コスト的には現実味に乏しいという現状があります。

また、建築コストがかかるということは、建物や地盤に問題が生じたときに、建て替えが容易にできないことも意味します。
地震保険でも対応は難しいと言えます。
 
一方で一般的な規模の住宅、特に木造住宅は、耐震性を高めながら、制震や免震の設備を取り入れやすいというメリットがあります。
工法を選択する際は、予算をはじめとする複合的な観点から判断する必要があるでしょう。