二世帯住宅を建てたい!-2



  失敗しない間取りと税金の話

目次



二世帯を考えたときに気になるのは間取り

二世帯で暮らすときに気になるのは、間取り。今後、長く住むのだから失敗はしたくないものです。
新築や建て替えの場合は、間取りはゼロから考えることが可能ですが、リフォームの場合は、配管や柱の都合などにより、大幅に間取りを変更することが難しいことがあります。 親・子世代が一緒に住むので、お互いに気持ちよく過ごせる間取りにしたいもの。代表的な3タイプの同居スタイルと、間取りをご紹介します。



代表的な3タイプの同居スタイル

同居スタイルには、代表的な3タイプがあります

〈完全同居タイプ〉

寝室や個室などのプライベートな空間以外を共有するスタイル。玄関、キッチン、リビング、お風呂、トイレなどを共有します。二世帯で使うので、広めに設計してゆとりがあるようにします。


〈一部同居タイプ〉

玄関、リビング、お風呂などは共有にして、それ以外を別々にするスタイル。ある程度のプライベートは保ちつつ、くつろぐリビングを共有にすることで、二世帯のコミュニケーションをとることができます。


〈完全分離タイプ〉

同じ建物内でありながら、玄関からすべて別々のスタイル。それぞれのプライベートを完全に保つことができます。気兼ねすることなく過ごすことができ、何かあったときにはすぐにかけつけることができる距離です。また同じ敷地内に2棟建てるパターンもあります。


この3タイプの他に近居タイプあります。こちらも二世帯の形ともいえます。

〈近くに住む〉

何かあったときにすぐにかけつけられる、片道30分以内の距離に住むのも二世帯に近いものといえます。誕生日などのイベントのときには集まり大家族を味わい、普段は別々に過ごせます。



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家族の将来ビジョンを考えよう

意外に見落としがちなのが家族の将来ビジョンです。現在の状況で間取りを考えて、数年後に状況が変わり、間取りをこうしてればよかったということも......。
よくあるのが、同居を開始してから数年後、親に介護が必要になり、車いすが廊下や扉を入るのに苦労したり、リクライニングつきの大きなベッドが入らなかったり、バリアフリーが行き届いていなくて手すりが不足したり、意外なところに段差があって不便だったりというものです。場合によっては、リフォームが必要になることも......。介護はいずれくるものです。最初の時点で考えておくことをおすすめします。階段の昇り降りができなくなったときのためにエレベーターを設置することも。
また子供部屋は、いずれ子供が独立したあとは空き部屋となります。そのあとに別の部屋として使えるようにシンプルな間取りにしておくのもいいでしょう。同様に親世代の部屋もいずれは空き部屋になることも考えておきましょう。完全分離タイプであれば、空いてしまった方を賃貸として貸し出すことも可能です。
近年多い、大地震や豪雨災害、酷暑についても考えてみましょう。災害については、いつくるかわからないものですので、十分な対策をとっておきたいところです。



完全同居のメリットとデメリット

完全同居は、寝室以外はすべて共有タイプ。玄関、リビング、お風呂、キッチンなどは2世帯で使う形です。

メリットは、
「ゆったりとした間取り」
「光熱費などを抑えられる」
「サポートをうけやすい」

二世帯で使うため、基本的に広くゆったりとした間取りとなります。広いリビングやキッチンは、二世帯でもゆったりと過ごすことができます。いずれ一世帯になったときには、完全同居だと間取りが使いやすいです。
共有設備が多いので、光熱費を抑えることも。基本料金をそれぞれの世帯で支払うよりも、まとめて支払う方がお得になります。 親世代と子世代との交流が密になり、子育てや家事、介護のサポートがしやすくなります。


デメリットは、
「生活習慣の違いからの生活音が気になる」
「くつろぎにくい」
「プライベートがない」

世代が異なるため、生活時間や生活習慣が合わず、生活音が気になってしまうことも。子供が走り回る音が気になる、深夜に帰宅する音で目が覚めてしまう、昼間の親のテレビの音が大きくて赤ちゃんが昼寝をしないなど。これらは、間取りを決めるときに、生活習慣や時間をお互いに話し合うことで改善できます。例えば、防音措置をしたり、親の寝室の上が子のリビングという間取りにしないという方法があります。
ひとりでくつろぐ場所がなかったり、来客を呼びにくかったりとプライベートの確保がしにくい場合は、セカンドリビングを各世帯に設けることで解決できます。


一部同居のメリットとデメリット

メリットは、
「適度なプライベートの確保」
「完全分離より建築費を抑えられる」

玄関のみ共有にし、キッチンやリビングなどは別々にすると世帯ごとのプライベートが確保できます。行き来はできるので、距離が近い同居のスタイルになります。
共有設備を玄関だけなのか、リビングやキッチン、お風呂も共有にするのかで建築費を抑えることができます。共有設備が少なくなると、その分、建築費は増えていきます。 共有リビングにすると広さを確保でき、二世帯でもゆったりと過ごせます。逆にリビングをそれぞれに作ることで、プライベートを保つことも。共有設備をどこまでにするかで、いろいろなパターンの生活を楽しむことができます。

デメリットは、
「共有設備が使う世代で異なる」
「共有の玄関の物音が気になる」

例えば、洗面台やキッチンの高さが、親世代と子世代で合わないと使い勝手が悪くなってしまいます。高さを調整できる仕組みにしたり、共有にせずそれぞれに設置するといいでしょう。
生活時間のズレが大きいと、深夜に帰宅した物音やキッチンの音などが気になってしまうことも。間取りを考えるときに、玄関や階段の位置、上下階の寝室の位置、水まわりの位置などを工夫するのがおすすめ。親世代の寝室の上階に子世代のお風呂やリビングを配置しないようにすると、生活音で睡眠を妨げないようにできます。


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同居でもプライバシーを保ちたい...そんなときは?

同居のときに気になるのが、いつでもどこでも顔を合わせることにより、ひとりの時間や各世帯での時間を過ごせるものなのかが心配という声もよく聞きます。
そんなときには、自由に使えるシェア部屋を作るといいでしょう。誰の部屋でもなく、使いたい人が使えるようにしておきます。ひとりで趣味をして過ごしたり、静かに勉強したいときに、友達を呼んだとき、同居していない方の親を呼んだときなどリビングとして使うのも◎。間取りとしては、相手の空間を通ることなく行けるとより気兼ねなくていいです。



完全分離のメリットとデメリット

完全分離は、玄関からすべて別々のタイプ。1階と2階でわけたり、同じ敷地内に建てる形です

メリットは、
「すぐそばにいるのに、干渉しあわない」
「生活が完全に別々」

玄関から別々なので干渉しあうことなく生活をすることができ、何かあればすぐに駆け付けることができます。お隣さんのような感覚です。プライベートを保つことができるので、最近多いタイプです。1階と2階でわけたり、同じ敷地内に隣接して建てることができます。

デメリットは、
「コストがかかる」
「完全に別々すぎて、コミュニケーションがとれない」
「生活音が気になる」

家を2棟建てるような形なので、建築費があがります。さらに共有設備もないので、それぞれの光熱費がかかります。しかしキッチンについては、別々にあると気兼ねなく料理ができるという場合もあります。光熱費を気にして共有にしたところ、狭くなって2人では動きにくい、作る料理ジャンルがまったく違うので一緒に作ることができないなどで、共有でいいと思っていたのに......ということがあるようです。料理は毎日のことなので、これがストレスになるのであれば、それぞれにキッチンがある方がいいでしょう。
完全に別々すぎるため、会ったり話したりを意識しないとその機会が少ないということも。その場合は、内側にも階段を設けて、中から行き来できるようにするのもおすすめです。お互いに干渉しあうというよりは、寄り添うような間取りにするといいでしょう。
どの同居のタイプにもいえますが、生活音も気になります。完全に別々であっても、1階と2階となると間取りによっては、音が響きます。



間取りで失敗しないために必要なこと

間取りで失敗しないためには、相談が大切。親と子世帯で生活スタイル、間取りについてよく話し合うことが失敗しないための方法です。 少々これは細かすぎるかなと思うことも伝えるようにします。建ててから不自由や不便を感じてしまはないように相談ができるといいですね。

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二世帯を建てるときに、補助金がでるって本当?

親世代、子世代で話し合い、理想の間取りを考えることができたら、次は資金について考えましょう。二世帯を建てるときに、補助金が出ることがあります。うまく活用してみてください。


〈地域型住宅グリーン化計画〉

環境破壊を低減するためには、木造の住宅は有効です。そこで地域の工務店などで木造住宅を建てる際に利用できる補助金が「地域型住宅グリーン事業」です。『子育てを家族で支え合える三世代同居など複数世帯の同居しやすい環境づくり』が条件のひとつとなっています。これが二世帯住宅に当てはまります。ただ、こちらについては、それぞれ独立した完全分離型は対象外となるので注意が必要です。他にも条件があるので、当てはまるのかこの事業に参加し登録している工務店などに相談してみましょう。


〈相続税〉

住宅を相続したときには相続税がかかります。家を相続した人が、被相続人(財産を残して死亡した人)と同居していた親族の場合、住居や土地の所有を続けていることを条件に8割減額という制度です。


〈贈与税〉

親から金品の贈与をされた場合、贈与税がかかります。二世帯を作るときに親から資金をだしてもらったときはこの対象となります。合計所得金額が2000万円以下である場合は、非課税の特例となります。


これら税金については、お住まいの地域によって異なることがあるので、税金についても工務店やハウスメーカーでたずねてみましょう。税金関係は、もめごとになることも多いのも事実ですので、事前に対策ができるとよいですね。