あとで後悔しない「いい家」の建て方 BESTHOUSE

第三章 業者選びのポイント20 説明責任


リスクをあらかじめ伝えているか

 「20のポイント」のまとめとして、最後に「説明責任」を挙げたいと思います。
 家づくりにおいては、これまで説明した19の項目について丁寧な説明がされているかどうかが肝心です。
 どの会社も、よいことは積極的に説明するでしょう。でも本当に大切なのは、どれだけリスクについての説明をしてくれるかです。リスクについての説明が不十分であったがためにトラブルになるケースが多いからです。
 とくに問題になりやすいのが「プラン」「工期」「金額」など、当初の予定から変更する可能性があるものです。
 
「現在の打ち合わせの内容のなかで、将来的に変更があるかもしれない箇所はどこですか?」
 
と尋ねる習慣をつけましょう。その答えによって、会社の専門性やレベルを感じることができます。
 また、予期される問題とその対処策を確認する意味では、

「この家を建てた場合、設計から施工段階までの間に、一般的にはどのような問題が起きやすいですか?」

と質問をし、その回答内容に対して、

「その問題を防止する上で、どのような対策を講じていますか?」

と確認しておきましょう。例えば、「途中で金額を変更する可能性があり、その場合は変更があった段階で書類を作成してご確認いただきます」などと、対応が徹底していれば安心です。
 そもそも説明責任とは、お客様が認識していないリスクをどれだけ説明できるかという問題です。ですから、質問したことにきちんと答えられるかどうかは当然として、「質問する前」にどれだけ先回りして説明してくれるかがポイントとなるでしょう。

ポイントは不安にどれだけ先回りできるか

 例えば、先日のことですが、私は在来木造住宅の建築工事中、上棟しようとした案件を前日の朝一番に中止することにしました。その時点で、翌日は雨になる可能性が高いという天気予報が発表されていたからです。
 ここで「雨になりそうなので、上棟日を延期します」と言うのはただの説明です。大切なのは、お客様がどう感じているかです。

「工期に遅れは生じないだろうか」
「次の上棟日はいつに設定されるのだろうか。その日は縁起のよい日なのだろうか」
「今後屋根がつくまで雨ざらしになることはないだろうか」

 こういった疑問や不安まで先回りして、どうなるのか、どう対処しているのかをお話しするのが説明責任です。
 細かなところまで含めて不安を解消してくれるかどうかを基準にチェックされるのをおすすめします。説明責任の重要性をしっかりと理解している業者こそ、任せて安心な業者と言えます。