あとで後悔しない「いい家」の建て方 BESTHOUSE

第三章  業者選びのポイント16 検査体制


将来のトラブル回避につながる必須事項

 住宅の検査体制についても確認しておきましょう。
 自社検査がどういう形でされているのか、第三者の機関が検査を行っているかです。自社のみの検査体制では、どうしても検査が甘くなる心配があります。
 今の時代は、法規制から義務付けられているので、その辺りの整備がされていない会社はほとんどないはずですが、念のため、何か大切かをしっかりと理解しておく必要がありますので記載させていただきました。
 実際に私たち家を建てる立場からも、第三者の機関が検査することによって緊張感を持って仕事ができるのは事実です。
 検査員は、防水部分や基礎配筋など、見るべきところをきちんと見ています。お客様にとっては、家づくりに関してはいろいろと不安があるなかで、第三者がきちんと検査をしてくれるというのは心理的にも心強いのではないでしょうか。
 中間検査・完了検査も大事ですが、それよりも日常的にいかに検査をして事前にミスを防止させているかということが大切です。ある会社では、建物上棟後に金物のボルトの締め具合をチェックするために、確認した後、スプレーをしていると聞きました。そうした二重三重のチェックを繰り返すことで、しっかりとした品質の家が建てられていくのです。
 検査体制の確認は、次のような質問をすればわかります。

「建物の検査は、どのようにされていますか?」

そのほかに

「構造段階の記録はどうされていますか?」

と聞くこともおすすめします。構造段階の様子は、完成後には見えなくなる部分であり、悪く言えば隠蔽されてしまいかねません。その意味では、写真や動画を記録として残しておいてもらえると安心というわけです。
 私たちも最後の引き渡し時には、CDやDVDにコピーしてお渡ししています。これは「報告・連絡・相談」の義務の一環であると考えています。
 記録が残っていると、将来的に間仕切りの変更などの際に、構造部がわかります。図面だけでなく写真が残っていると、何か障害はないのか、問題はないのかが一目瞭然です。
 人間の記憶だけでは当てになりません。私も職人をしていたころ、自分が建てた家をメンテナンスするときに、「ここはこうだったよな」と思ったところは、実際にはぜんぜん違うということがありました。
 ですから、きちんと記録を残しておくことは大切です。遠慮することなく、家づくりに先立って依頼をするとよいと思います。しっかりとした会社は、そうした記録をしっかりと取っているものです。