あとで後悔しない「いい家」の建て方 BESTHOUSE

第三章 業者選びのポイント13 全体のスケジュール


優良会社は段取りがよい

 「全体スケジュールの確認」は、先にお話しした専門性とも関わってくる事項です。
 ある程度人気があり、棟数を多く手がけている会社は、スムーズな家づくりの「流れ」を確立しています。
 「流れ」というのは、例えば在来工法の木造の建物で、上棟を終えたら屋根の工事をして雨に濡らさないようにする、といった段取りのことです。
 この「流れ」を確立していない会社の場合、いつになっても雨の始末がなされないという問題が起こります。
 専門性を持って慣れている工事であれば、だいたいの工期は決まっています。その工期に合わせて、職人さんがそれぞれの工程をスムーズに担当します。
ですから、全体スケジュールを率直に質問すると、その会社の工事がスムーズに運んでいるかどうかがわかります。

「40坪程度の建物を考えているのですが、工期の日数はどれくらいですか?」
「工期に前後差がある場合はどれくらいですか?」


といった質問が有効です。

「雨に濡らしたくないので、そういうときは、すぐに屋根屋さんが入ってくれますか?」
「雨の問題は大丈夫ですか?」


 などの質問の仕方もできるでしょう。ここでは、工事のディテールについての説明を聞かなくても大丈夫です。ほかの質問も同様ですが、単純に「簡単な質問をしたらすぐに答えられるか」を比較してみましょう。
 「60日程度見ていただければ引き渡しができます」「弊社は専門的に工事をしているので、安心してください」といった回答が返ってくれば安心です。
 ここで「どうでしょうか......」などと答えに詰まるようなら要注意です。あまりスムーズな工事が期待できないことが推測されます。
 パラパラな工法で建物を建てている会社では、なかなか「流れ」ができないため、工期の予測がつきにくくなります。「流れ」ができていないから、追加工事などが発生して金額にも反映することになります。
 ちなみに「流れ」ができている現場は、工期もきちんと決まっていて、維持、管理ができていて、現場も整理整頓、清掃が行き届いていることが共通しています。現場の確認と併せてチェックすれば万全です。