あとで後悔しない「いい家」の建て方 BESTHOUSE

第三章 業者選びのポイント11 現場の確認をする


契約前に見学しておくとよい

 家づくりをする前に、その業者の現場を直接見学するのをおすすめします。見学会を定期的に開催している会社であれば、それに参加してみるのはもちろん、同時に「通常の現場」も見ておくとよいと思います。

「日常の現場を見学したいのですが......」
「見学が可能な案件数はいくつですか?」


 などと担当者に尋ねてみましょう。信頼できる会社であれば「案内ができますよ」という答えがすぐに返ってくるはずです。それは、どの現場もしっかりと管理されているということを意味します。

「今どのぐらいの数の工事を行っていますか?」

 こういった質問から「その会社がお客様からどのぐらい支持されているか」も具体的にわかります。

現場の善し悪しは整頓の出来・不出来でわかる

現場の状態をチェックしてみましょう。よい業者の現場は、きちんと整理整頓されています。整理整頓の出来、不出来を通じて、「お客様満足」のマインドが現場に伝わっているかどうかが確認できます。一生に一度の大きな買い物のお手伝いをさせていただいている感謝の心構えができているか。これが現場の整理整頓に表われるということです。
 もっとも、現場によっては非常に狭いところもあり、多少は物が外に出ていることもあり得ます。都内などの狭小地などでは、ゴミや材料など、「見た目は整理整頓できているか」という視点でチェックするとよいと思います。

職人さんには声をかけてもOK

 また、チャンスがあれば現場では職人さんとお話ししてみてください。現場は危険なので、安全のためにも昼休みなどのタイミングを見計らって話しかけてみましょう。現場の職人さんは、営業マンのように売り込みもしないので安心して話せると思います。
 現場には、その会社の真実が表れます。もしかすると、営業マンよりも現場で働いている人を見たほうが、ずっと正確な情報がつかめるかもしれません。
 一生に一度の大切な買い物である家をしっかりとした職人さんが手がけてくれるか、実際に住まいづくりが始まるととても気になるところでしょう。建築工事が始まると、長く接するのは営業担当者よりも現場の職人さんとなりますので、職人さんの態度は大きな決め手となります。
 よい職人さんというのは、得てしてあまり饒舌ではありません。口数は少ないかもしれませんが、お客様からの質問に対しては答えてくれるでしょう(もちろんなかにはおしゃべりな職人さんもいますが......)。
 「お客様の100%満足する家をつくります!」のような大風呂敷は広げませんが、真剣にいい家をつくっているという自負は、言葉の端々から窺えるものです。
 当然ですが「あいさつをきちんとしているか」「くわえタバコで歩いていないか」などの態度も要チェックです。
 なお、1~2軒の現場を見学するだけでは、そこで見た職人さんの印象に左右される部分も大きいでしょう。複数の業者の現場をたくさん見学すれば、それぞれの会社の教育方針なども見えてきます。大手の現場を見るもよし、工務店の現場を知るもよし、街なかを歩いているだけでもたくさんの現場を目にしますので気にかけてみてください。