あとで後悔しない「いい家」の建て方 BESTHOUSE

第三章 業者選びのポイント5 イベント


ほしい情報を提供してくれるか

 次に見学会やセミナーなどのイベントに参加するときの注意点をお話しします。
 イベントの判断基準として、参加した後に「心地よい気分にさせてくれたかどうか」ということを感じてみてください。スタッフのマナーも含めて「また来たい」「また会いたい」と思える業者だったのか。何社か比べてみれば、ある程度判断できると思います。
 イベントでの住宅会社のスタンスは大きく2通りにわかれます。商品を売ることに熱心な会社は、自社商品のアピールに終始しがちです。商品のメリットを伝えることは大切ですが、そればかりだと単なる押しつけになりかねません。
 それに対して、配慮のある会社は、お客様の立場に立って考えるので商品自慢よりも、まずお客様の悩みを聞くことから始めます。そのお客様の悩みが商品と一致すれば、当然、その商品をしっかり説明することでしょう。
 「今日いらっしゃったのは、家づくりに関して悩みがあるからではないですか?」
 「何か気になっていることがあれば、お話をお聞きしますよ」
 と悩みを聞いてくる会社は、お客様視点に立っていることがわかります。これは売り込み営業とはまったくスタンスが異なります。
 私白身、自社の営業担当者に「そのお客様にとって必要な情報を持っていくのは天使である」と話すことがあります。お客様が問題を抱えているのであれば、その問題の解決になる糸口、つまり資料などを持って行くのが「天使」としての営業活動です。
 イベントでは「悩みを聞いてくれるかどうか」は重要なポイントですので、覚えておきましょう。

『しつこい営業』に惑わされるな

 それから、『イベント後に無理な営業をしてくる会社』は問題ありです。しつこいセールスは、そもそも相手の都合を考えていません。ノルマに追われているから、平気で迷惑なセールスができるのです。

 しつこい営業が後を絶たないのは、それでも実績を上げている会社があるからです。人間には『会えば会うほど、その人が好きになる』という心理が働きます。最初は『しつこい』と感じていても、何度もセールスを受けているうちに『そこまで熱心なら』と行為を抱き、契約するお客様がいらっしゃるのも事実です。

 でも、それは本当にお客様満足に繋がる営業と言えるのでしょうか。信頼したはずの営業マンが3年で転勤してしまったり、いざ工事が始まったら工務店に丸投げをする。これは、契約さえ取れればいいのではと言われても仕方がない営業スタイルです。

 私の会社の見学会には、すでに3~4年も通い続けている方がいらっしゃいます。こちらから『家を建ててはいかがですか?』と積極的に営業はしていません。

 そうこうするうちに、私は、こういう方法が理想ではないかと思います。

 しつこい営業をしない会社を見つけたら、その会社の仕事ぶりや価格もわかってきます。十分に家づくりに関する知識が身についたところで、その会社に依頼するのが、賢い段取りではないでしょうか。