あとで後悔しない「いい家」の建て方 BESTHOUSE

第二章 耐久性のある鉄筋コンクリート


 鉄筋コンクリートとは、コンクリートに鉄筋を埋め込む工法です。耐久性や耐震性が強く、防音性にもすぐれているというメリットがあります。その特性から集合住宅や比較的規模の大きな建物に採用される工法です。

 一方で、他の工法と比較してコストが高いということがあります。おおまかな予算としては、都内の木造建築の場合、坪単価が50~60万円くらいだったと仮定した場合、鉄骨が60~70万円くらい。鉄筋コンクリートは、鉄骨と同じか少し高いくらいというのが目安となります。

 現在、都内では昭和初期から中期に建てられた鉄筋コンクリートの集合住宅が建て替えられつつあります。その頃のコンクリートの質は、あまりいいものとは言えません。古いマンションなどには、高い管理費を設定してメンテナンスに力を入れているところもあるようですが、実際には外装を新しくしているだけで、中 のコンクリートはひびだらけというパターンが珍しくないのです。

 もっとも、当時と比べて現在ではコンクリートの室は改善されていて、しっかりとした強度確認もされています。現在のコンクリートの強度が実際にどのくらい向上しているか、それにより本当の強さが決まると言えるでしょう。

 以上、わかりやすく工法の違いを説明するために、それぞれのメリット・デメリットを整理してみました。

 住宅会社によって、得意とする工法は異なります。ほかの分野でも同じだとは思いますが、専門性を持って同じものを職人がつくり続けていると、確実に精度が上がってきます。つまり、どの工法を選ぶかを明確にしたら、その工法を専門とする会社に家づくりを依頼するのがいい家づくりをする上での鉄則ということです。