あとで後悔しない「いい家」の建て方 BESTHOUSE

第二章 情報収集には正しい順序がある


 しっかりと情報収集をして知識レベルが高まると、優良な建築会社を見極める力も伴ってきます。
信頼できる会社が見つかって、はじめて見積もりやプランを依頼することができます。

 しかし、家づくりがうまくいかない人は、往々にしてこの順序を間違えがちです。

 先日も、『今まで50件くらいの会社から見積もりを取ったのだけれど、どの会社がいいのかわからなくて、いまだに決心がつかない』とお話を伺っていて、私は『迷ってしまうのは当然だろうな』と思いました。

 住宅雑誌やインターネットを見ていると、『見積もりはたくさん依頼した方がいい』とアドバイスしているのを目にします。しかし、私は見積もりを過剰に取れば取るほど、どの会社を選ぶべきかわからなくなると思います。

 見積もりをたくさん取ってわかるのは金額の違いだけです。例えば、50社に見積もりを取って一番安い金額を提示した会社に、あなたは一生に一度の家づくりをすんなり託すことができるでしょうか。

 では、下から10番目くらいの金額を提示した会社ではどうでしょうか。この会社は下から11番目の会社と何がどう違うのか。他の49社よりもいい会社だと自信を持って判断できるでしょうか。

 それよりも、情報収集をして『どこに見積もりを取るべきか』という基準をつくるほうが、はるかに効率的ではないでしょうか。

情報収集の目的は信頼できる業者を選ぶこと

これは、お医者さんを選ぶ時と似ています。

 あなたはどんな基準で病院を選んでいるでしょうか。病気になった時、病名や治療法について自分で調べることは出来ますが、最終的にはお医者さんを信じて身を委ねるしかありません。

 ですから、本当に必要なのは『このお医者さんなら信頼できる』という信頼関係であるはずです。

 同様に、家づくりで大切なのは、どれだけ親身になって家づくりに協力してくれるかという信頼感だと思います。

 ですから、情報を収集する目的は、あくまでも優良な会社を見つけるためです。まずはその原則を理解しておいてください。